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【7労務関係】
Q7-4: 退職金規定について教えてください。


A:

(1) 新制度の概要(旧制度との比較)

旧制度
新制度
1.
適用対象

労働基準法が適用される従業員が対象。
外国籍の従業員も対象
原則として労働基準法が適用される台湾籍の従業員を対象としている。
外国人の従業員は適用不可。
雇用主、委任契約に基づく経理人(マネージャー)及び労働基準法が適用されない従業員は任意により自費で加入が可能


調整
旧制度での退職金制度の適用対象となった従業員は、原則として新制度適用までに(2005年6月30日)新制度或いは旧制度いずれか一つのみを選択する。旧制度を選択した場合でも、5年以内に新制度に移行することは可能。新制度を選択したものは旧制度へは移行できない。
旧制度下での勤続年数は保留される。
新制度適用後に雇用された従業員は、強制的に新制度の適用となる。

2.
管理口座
単位
企業単位の管理口座(中央信託局の退職金専用口座)であり、従業員が退職して別の企業に就職しても、以前の企業での積立分については、原則として引き出すことは不可能。

個人単位の管理口座(労工保険局の専用口座)となり、従業員が退職して別の企業に就職しても、以前の積立分はそのまま引継ぐことになる。
3.
「年金保険制」の制定
規定なし

200名以上の従業員を有する企業で、労働組合または従業員の半数の同意があり、従業員の半数が参加する場合には、個人単位の管理口座ではなく、保険会社(一企業に一社)による年金保険契約の利用を選択することができる。

4.
拠出率

毎月の賃金の2%〜15%までの範囲内で、各企業が拠出率を選択可(雇用者負担)

毎月の賃金の6%を下回らない比率を拠出する。(雇用者負担)。
上記雇用者負担分の他に、同6%の範囲内(1年につき2回変更可)で従業員個人の追加負担も可能。


旧制度から新制度への移行時の調整:
旧制度に基づく2005年6月30日現在の積立不足額(外部拠出不足額)は新制度開始後、5年以内に充足しなければならない。雇用者は、労働基準法適用を選択した対象者および保留された新制度施行前の勤続年数について、人数、賃金額、勤続年数、流動率などを勘案し計算した拠出率に基づき、労基法56条1項(つまり前述旧制度の拠出方法)により継続して拠出し、5年以内に十分な額の準備金を積立てなければならない。

5.
退職金受領
条件

同一事業単位(企業等)に勤続15年以上、かつ、満55才以上のもの、または、勤務25年以上の者、などが退職金を受領。

満60才以上の者、または死亡者の遺族が退職金を受領。

6.
退職金給付
方法

全額一括給付

原則、月次給付(死亡時に停止)
例外、加入15年未満または死亡の場合は一括給付。

7.
退職金給付額

勤続15年までについては、1年につき平均賃金(退職前6ヶ月間の平均賃金)2ヶ月分を支給し、15年を超過する部分については、1年につき平均賃金1ヶ月分を支給することになるが、最高で45ヶ月分までである。

・(イ) 月次給付額
個人退職金口座の積立元金と累積収益から年金生命表や利率などの諸係数に基づき、月次給付額を決定する。
・(ロ) 一括給付額
個人退職金口座の積立元金と累積収益。
 

8.
勤続年数の
計算

同一事業単位(企業等)で計算。
(例外:企業M&A法による組織再編に該当する場合)

事業単位の変更があっても、勤続年数を累積して引継ぐ。

9.
資遣費
(解雇金)

会社の都合による解雇(工場閉鎖等)の場合には勤続年数に基づき、1年につき平均賃金の1ヶ月を支給する。

1年につき平均賃金の0.5ヶ月分を支給するが、最高


同調整:
新制度適用後に同一企業にて解雇された場合、旧制度適用時のものについてはそのまま適用される。例えば、旧制度において10年勤務し、新制度適用2年のちに解雇された場合には、解雇金の計算は以下のとおりである。
支給月数:
10ヶ月(旧制度適用期間:10年×1ヶ月/年)+1ヶ月(新制度適用期間:2年×0.5ヶ月/年)=11ヶ月
解雇金:平均賃金×11ヶ月

10.
雇用者に対する罰則規定
規定による処理を行わない場合、6,000台湾元(以下元)以上、60,000元以下の罰金

規定による処理を行わない場合、20,000元以上、100,000元以下の罰金を科し、毎月処罰の対象。
さらに1日あたり原則として未納額部分の3%の延滞金が科される。


※新退職金制度実施にともなう、企業側のとるべき対応措置
積立不足額を5年以内に拠出
積立不足額を精算師が算出する場合は以下の各従業員の資料が必要である。

* 1. 生年月日
2. 入社
3. 男女別
4. 給与
5. 直近3年間の離職関連資料


その他:
* ※毎月の外部拠出の計算に必要となる給与の内訳
*毎月経常的に発生すると思われるもの。例:基本給、諸手当、通勤費など
※積立口座の積立内容
*1. 旧制度による中央信託局の企業単位の退職金専用口座
*ア. 2005年6月30日現在における積立不足分
*イ. 旧退職金制度を選択した従業員の毎月の積立分
*2. 新制度による労工保険局の個人単位の退職金専用口座
*新退職金制度を選択した従業員の毎月の積立分

※旧制度に係る積立不足額の5年以内の拠出の実際運用
上述の条例の規定に変更はないが、実際の運用における困難性に配慮し、実務運用上は2005年6月30日現在の旧制度による退職金の外部拠出不足額および2005年7月1日以降の旧制度継続選択者にかかる毎月の外部拠出額(2〜15%)について、各々別々に積み立てるのではなく、会社として1つのレート(給与の2〜15%の範囲内)を使用し、毎月、中央信託局の退職基金専用口座(会社用)に拠出することで足りることとなっている。

資料出所:
『2007年改訂版台湾ビジネスガイド(2007年8月現在)』勤業衆信会計師事務所 



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